CISSP CAT(Computerized Adaptive Testing)試験について

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ISC2は、全世界の英語版 CISSP試験にCAT(Computerized Adaptive Testing)を導入しました。CISSP CATは連続出題形式の試験と同じく、試験内容の概要に基づき、より正確で効率的にあなたの能力を評価します。CISSP CAT試験では、少ない解答数で知識を証明し、半分の時間で試験を終えることができます。

どのような仕組みになっているのでしょうか?

CISSP CAT試験の受験者は、基準を大きく下回る問題からスタートします。受験者が問題に解答した後、採点アルゴリズムは、出題されたすべての問題と解答の難易度に基づいて、受験者の能力を再評価します。答える問題が増えるごとに、コンピュータが評価する受験者の能力はより正確になり、従来の連続出題形式の試験よりも効率的に、受験者の能力レベルの情報を可能な限り収集することができます。

この、より精密な評価によって試験の最大試験時間を6時間から4時間に短縮することが可能になりました。また、受験者の能力を正確に評価するために必要な問題数を、連続出題式試験の250問から、CISSP CAT試験では125問まで削減することができます。

試験内容の概要および合格基準は、両試験とも全く同じです。各受験者は同じ内容で評価され、試験形式に関係なく、同レベルの能力を発揮しなければなりません。

2024年4月15日 (米国東部標準時) より、世界中のすべてのCISSP試験は、制限時間が最大 3時間のCAT形式のみで実施されます。受験者には、最低100項目、最大150項目の問題が出題されます。2024 年 4 月 15 日 (米国東部標準時) 以降、CISSPの連続出題形式(リニア)試験は実施されません。CISSP試験は、以下の言語によるCATでのみ実施されます:英語、中国語、ドイツ語、日本語、スペイン語。

CISSP CAT試験のFAQ

※下記FAQは現行の英語版CISSP CAT試験に基づいています。4月15日 (米国東部標準時) より導入される日本語版CISSP CAT試験内容と一部異なる内容がありますのでご注意ください。

Q:CAT(Computerized Adaptive Testing)とは何ですか?

A:CATは、個々の受験者の能力に合わせた試験項目をコンピューターで配信するものです。固定された連続出題形式の試験と異なり、適応型試験では、試験中に受験者が発揮した能力に基づいて問題が出されます。すべてのCISSP認定試験では、各受験者は試験概要に記載された試験内容の要件に従って受験します。受験者に出題される問題の難易度は、受験者の能力を可能な限り効率的に測定できるように最適化されています。適応型テストの一般的な実施方法については、http://www.iacat.org/what-is-catを参照してください。


Q:CAT(Computerized Adaptive Testing)はどのように機能しますか?

A:受験者は、試験を通じて各問題が難しいと感じるかもしれません。受験者の能力に応じて、試験で出題される問題数は異なります。CISSPのCAT試験の各受験者は、合格基準を大きく下回る問題からスタートすることになります。受験者が問題に解答した後、採点アルゴリズムは、出題されたすべての問題と解答の難易度に基づいて、受験者の能力を再評価します。各問題が回答された後、問題選択アルゴリズムは受験者に提示する次の問題を決定し、受験者がその問題に正解する確率が約50%であると予想されます。各追加問題に回答していくと、受験者の能力に関するコンピュータの評価がより正確になります。この反復的なプロセスを通じて、受験者の能力レベルについて、従来の連続出題式試験よりも効率的に、可能な限り多くの情報を集めることができます。


Q:なぜISC2は、英語のCISSP試験を従来の連続出題式から Computerized Adaptive Testing (CAT)に変更するのですか?

A:ISC2がCISSP試験をCATへと移行することは、認定資格プログラムの将来においての重要な投資です。CATの実施は、公平で、妥当で、信頼性があり、効率的な試験実施プロセスを提供することにより、世界中のサイバーセキュリティ専門家の重要な需要を満たすというISC2のコミットメントを強化します。CATは、次のような多くの利点を受験者に提供します。

  • 受験者の能力の、より正確で効率的な評価
  • 試験実施の機会拡大
  • 試験実施時間の短縮
  • 試験セキュリティの強化

Q:Computerized Adaptive Testing(CAT)が利用可能なISC2資格試験はどれですか?

A:CAT形式は、英語のCISSP試験のみ利用可能です。英語以外の言語で実施されるCISSP試験は、2024年4月15日 (米国東部標準時) より、CAT形式でのみ利用可能となります。また、その他すべてのISC2資格試験は、固定された連続出題式試験にて引き続き実施されます。


Q:英語のCISSP試験を連続出題形式でも受験が可能ですか?

A:いいえ。英語のCISSP試験は、CAT形式でのみ受験可能です。2024年4月15日 (米国東部標準時) 以降、CISSPの連続出題式の試験は実施されません。ISC2試験で受験可能な言語はこちらからご確認いただけます。


Q:CISSP CAT試験への申込み費用はいくらですか?

A:すべてのISC2資格試験の費用はこちらからご確認いただけます。CISSP CATと、従来のCISSP連続出題式試験の費用に差はありません。


Q:受験者がCISSP CAT試験を受けるにはどれくらいの時間が必要でしょうか?

A:CISSP CATの最大試験時間は4時間です。ただし、ISC2が事前に承認した医療上の配慮を有する受験者のみ例外となります。最低時間制限はありません。受験者は、各々のペースで試験を進めることができます。試験への配慮が必要な場合の詳細は、こちらをご覧ください。


Q:CISSP CAT試験の休憩についてのポリシーは何ですか?

A:ISC2は、受験者の休憩数または時間を制限しませんが、CISSP CATの最大試験時間は4時間であり、すべての休憩が最大試験時間に含まれます。


Q:CISSPのCAT試験では、何問の問題が出題されるでしょうか?

A:CISSP CATは可変長コンピュータ適応型試験です。各受験者には、最低125問、最大175問が出題されます。合否判定を受けるには、受験者は最低75の採点問題に回答しなければならず、125以上の採点問題に回答することはありません。各試験には、試験の一部として50の予備試験問題、または採点されない問題が含まれます。予備試験問題は、今後の試験に含めるために評価される問題です。受験者は、採点問題と予備試験問題を区別できないため、受験者は各問題を慎重に検討し、提示された情報に基づいて最良の選択をする必要があります。

CISSP試験には、試験概要に記載されている通り、8つのドメインがあります。適応型試験として、試験問題は受験者に合わせて調整され、各ドメイン内の概念について習熟レベルを示すことができます。

125問の試験に合格した受験者は、全ドメインを通じて十分な概念を習得しており、習熟度を証明することができます。125問の試験で合格しなかった受験者は、最低合格点を達成するために必要な習熟度を、十分なドメインを通して示していないことになります。125問を超えた受験者は、いくつかのドメインで熟練している可能性がありますが、追加項目の提示により、最低合格点を達成できるよう、他のドメインでの熟練度を証明し続ける機会を与えられます。


Q:CISSP CAT試験問題はセクション毎に出題されますか?

A:いいえ。試験問題は、セクションやあらかじめ決められた順序で出題されることはありません。試験問題は、CAT の問題選択アルゴリズムによって、CISSP 試験内容の概要に沿ってランダムに選択されます。各CISSP CAT試験の内容は、試験時間に関係なく、CISSP試験内容の概要に記載されたドメイン比率に従って構成されます。


Q:CISSPのCAT試験で問題の見直しは許されますか?

A:CISSP CAT試験は可変長のコンピュータ適応型試験であり、出題される問題の難易度は過去の回答に基づいているため、問題の見直しは認められません。受験者が回答を確定した後は、それを見直したり、変更したりすることはできません。


Q:CISSP CATは、連続出題形式のCISSP試験よりも難しいですか?

A:いいえ。試験内容の概要、合格基準は両試験とも全く同じです。各受験者は同じ内容で評価され、試験形式に関係なく、同じレベルの能力を発揮しなければなりません。CISSP CATは可変長のコンピュータ適応型試験であるため、提示された各問題は受験者にとって難しく感じられるかもしれません。ただし、試験に合格するために必要な基準は、形式に関係なくまったく同じです。


Q:CISSP CATは、連続出題形式のCISSP試験とはどのように異なりますか?

A:どちらの試験形式でも、試験内容の概要、ドメイン比率、合格基準、試験問題は同じです。しかし、CATでは、実施される問題数が圧倒的に少なく、受験時間も短くなっています。


Q:現在のCISSP CAT試験内容の概要はどのようになっていますか?

A:現在のCISSP試験内容の概要は、受験者がテストされる知識、スキル、能力を表しており、こちらから確認いただけます。


Q:受験者のCISSP CAT試験での合否判定をコンピュータはどのように判断しますか?

A:CISSPのCAT試験の合格確率は、試験合格に必要な基準に対する受験者の推定能力のみに基づいています。採点アルゴリズムは、CISSP試験の合否を3つのルールのいずれかを用いて判定するもので、以下の順に適用されます。

  1. 信頼区画ルール(Confidence Interval Rule) - 最小試験数(125問)を満たした後、受験者の推定能力値が統計的信頼度95%で合格点を下回ると、試験は終了します。推定能力値が統計的に合格基準を上回っている受験者は、試験の結果は合格となります。推定能力値が統計的に合格基準を下回っている受験者は、試験の結果は不合格となります。
  2. 最大長試験ルール(Maximum-Length Exam Rule)- 最大問題数(175問)に達する前に「信頼区間ルール」が実行されなかった場合、受験者の推定能力値は合格基準に照らして評価されます。最後に解答した75問のうち、すべての問題で受験者の推定能力値が一貫して合格基準を上回っていれば、試験結果は合格となります。最後の75問において、受験者の推定能力値が合格基準を下回った場合、結果は不合格となります。この合格基準に対する推定能力値の評価では、「信頼区間」は考慮されません。
  3. 時間切れ(R.O.O.T)ルール - 試験時間の上限(4時間)までに「信頼区間」ルールが発動されなかった場合、受験者の推定能力値は合格基準に照らして評価されます。最後に解答した75問について、受験者の推定能力値が一貫して合格基準を上回っていれば、試験結果は合格となります。この75問において、いずれかの時点で受験者の推定能力値が合格基準を下回った場合、結果は不合格となります。この合格基準に対する推定能力値の評価では、「信頼区間」は考慮されません。試験の最大時間(4時間)内に75問に答えられなかった場合、受験者は自動的に不合格となります。

Q:CISSP CAT試験は、認定トレーニングプロバイダーのイベントや試験施設で受験できますか?

A:いいえ。ISC2の試験は、Pearson Professionalセンター(PPC) およびISC2認定のPearson VUE Select テストセンター (PVTC Selects) でのみ受験可能です。現在のISC2認定テストセンターはhttp://www.pearsonvue.com/isc2/locateより確認いただけます。


Q:受験者がCISSP CATの結果を受け取るのはいつですか?

A:受験者は、試験終了後すぐに結果を受け取ることができます。合格しなかった受験者で、必要最低限の問題を受験した方には、受験者が苦戦したドメインを共有するための診断フィードバックが提供されますので、次回以降の受験に向けて準備を進めることができます。受験者への合否判定レポートに数値のスコアは表示されません。


Q:受験者は、合否判定レポートでスコアを受け取りますか?

A:いいえ。受験者は、合否判定のための数値化されたスコアを受け取ることはできません。各ドメインの能力レベルは、合格しなかった受験者にのみ提供されます。


Q:CISSP CAT 試験の再受験ポリシーは何ですか?

A:ISC2の試験は12ヶ月間で最大3回まで受験できます。

CISSP CATおよび連続出題式試験共通:

  • 初めての試験に合格しなかった場合、試験日から30日後に再受験ができます。
  • 2回目に合格しなかった場合、さらに90日後に再受験することができます。
  • 受験者が3回目の試験に合格しなかった場合、直近の受験から180日後に再受験することができます。

Q:最低数の問題を受け、最後の問題が「簡単」だった受験者は不合格になるというのは本当ですか?

A:CAT試験による設計では、どの項目が簡単でどれが難しいかを確実に特定することはできません。試験の最後に、受験者はおよそ50%の確率で正答できる問題を受け取ります。どの項目が「容易」で、どの項目が「難しい」という判断は、受験者の能力に相当するものです。試験は適応型であるため、能力の高い受験者も低い受験者も、試験の最後の問題が難しいと感じるでしょう。


Q:合格レベルは?

A:ここでは、「合格基準」に対する受験者の成績を「習熟度」と定義し、不合格者への試験成績のフィードバックは、以下の3つのレベルを用いて行われます:

  • 習熟度が下回る – 合格基準を下回る
  • 習熟度が近い – 合格基準に近い
  • 習熟度が上回る – 合格基準を上回る

Q:受験者は試験に合格するために、すべてのドメインで「習熟度を上回る」スコアをとる必要がありますか?

A:いいえ。受験者は、試験に合格するために、習熟度を上回るレベルのスコアを取らなければなりません。しかし、試験に合格するためには、試験計画の各ドメインにおいて習熟度を上回るレベルのスコアを取る必要はありません。合否は、試験で実施されたすべての採点問題の合計で算出されます。ISC2試験は、あるドメインで正答数が多い場合、他のドメインの成績が低くても、それを補うことができる補償型試験です。もし受験者が、試験問題数が多く比率の高いドメインで非常に良い結果を出し、試験問題数が少なく比率の低いドメインで「習熟度が近い」、あるいは「習熟が下回る」結果しか残せなかった場合、合格する可能性はありますが、保証はありません。


Q:仮に受験者が75の採点問題に解答し失敗した場合、これは成績が非常に悪かったということでしょうか?

A:必ずしもそうではありません。単に、採点アルゴリズムが受験者の能力が合格基準以下であると95%の確度で判定するために、必要な最小限の問題数しかなかったということです。


Q:最長時間の試験を受ける受験者は無作為に選ばれているのですか?

A:いいえ。問題はCISSP CAT試験内容の概要に従って出題され、受験者の能力に応じた問題選択アルゴリズムが採用されています。あらかじめ決められた問題数が出題される受験者には誰も選ばれていません。試験問題は常に、過去の問題への受験者の解答と試験内容の概要に基づいて選択されます。受験者の成績が合格基準を上回る、または下回ると95%の信頼度で判断された場合、回答問題数、または試験の経過時間にかかわらず、試験は終了します。


Q:受験者はCISSP CATを受験するためにどのように準備するべきですか?

A:連続出題形式とCATのCISSP試験内容の概要と合格基準は全く同じであるため、受験者の準備を試験の形式に応じて変更する必要はありません。どのような試験形式であっても、受験者は常に適切な時間管理を行い、出題された問題に対して、十分な理由に基づいた解答をする必要があります。

受験者が、出題された問題を難しいと感じることが予想されます。その結果、すべての受験者は、解答した問題の50%しか正解できていなかったと予想するため、多くの受験者は、試験の出来が悪かったと感じるでしょう。このような心理的現象は、CAT試験の受験者に共通して見られます。ほとんどの連続出題式の試験では、受験者に的を絞った出題ができないことから、受験者はより高い割合で問題を正解します。受験者にとって重要なのは、正解した問題の数ではなく(誰もが50%程度は正解する)、合格に関係するのは正解した問題の難易度であることを覚えておくことです。


Q:受験者は、CISSPに関する最新情報をどこで見つけることができますか?

A:受験者は、現在の試験概要を常に参照する必要があります。受験者のお申込み、スケジュール、受験に必要なすべての情報が含まれています。